所　在　地　　三重県四日市市
主 要 用 途　 　診療所
延 床 面 積　　 431.17㎡
規　　　模　 　地上2階
主 体 構 造 　 　RC造・一部鉄骨造(庇部分)
竣　　　工　 　2016.4竣工
撮　　　影　　 鳥村鋼一
受　　　賞　　 三重県建築賞「知事賞」
掲　　　載　 　KJ2018.12

敷地はロードサイドから少し入った郊外の住宅地にある。旗竿型の不整形であり周囲は住宅に囲まれ、特に隣接するアパートからの視線にも注意が必要だった。
与条件として内科の3つの診療室、待合・中待合から庭園がみえること、郊外なので車でのアクセスに対応して約２０台の駐車場とロータリーを求められた。
「緑が患者さんへの癒しになる」という院長先生の考えから、建物と中庭や植栽が融合するクリニックを目指した。
建物はL型形状とし、１階は機能性を重視した明るい回遊性のあるクリニック、２階はプライバシーを確保した水廻り、院長室、リフレッシュコートを持つ休憩ゾーンとなっている。そして待ち時間が自然光や風景によるリラックスした時間となるよう、待合、中待合に中庭、前庭を計画した。
クライアントと知り合いの造園の方と設計の初期から協同して、建築と植栽の融合を共通認識として、コンクリート、アルミの素材を使った現代的な建築と、自然に配置された柔らかな枝ぶりの樹木が寄り添い、シンプルながら人々に親しみやすい環境を目指した。そのため設計段階から、建築と樹木の枝ぶり高さを検討した。
三日月形の車寄せの大庇は車寄せと歩行者の雨除け庇の機能に加えて、建物のランドマークともなる大切な部分であり、これまで曲面のデザインがほとんどない私にとっては新たな挑戦となった。

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